サッカーユニフォームの「レプリカ」と「オーセンティック」、4つの違いとは!?
2022年12月、サッカーFIFAワールドカップが行われたカタールでは、大会期間中日本代表の公式ユニフォームがサポーターの間で大人気。売り切れになる店が続出しました。好きなサッカークラブチームやナショナルチームを応援するとき、ファンなら選手と同じユニフォームを着たいですよね。Outfitterでは取り扱っていませんが、一般人が購入できる人気チームのユニフォームについて、ご説明します。
目次
ユニフォームの「オーセンティック」「レプリカ」とは
Jリーグや海外のクラブチームのユニフォーム、ナショナルチームのユニフォームを、サポーターが着用している姿をよく見かけます。半袖だけでなく、長袖タイプも見かけることがあります。
これらはどこで購入できるのでしょうか。
こうしたユニフォームは、試合会場のグッズ売り場、サッカー用品専門店、各チームの通販サイト、インターネットなどで売られています。
インターネットサイトで見かける「オーセンティック」と「レプリカ」は、一見すると同じものに見えますが、だいぶ価格に開きがあります。
オーセンティックとレプリカには、どのような違いがあるのでしょうか。
オーセンティックとは?
大きなクラブやナショナルチームでは、同じデザインのユニフォームを2種類販売しています。ひとつはオーセンティック、もうひとつはレプリカです。
オーセンティック(authentic)とは「本物の」という意味の英語です。
選手が実際に試合で着用しているものとほぼ同じ、またはまったく同じ仕様のユニフォームで、選手が動きやすいように、軽量で動きやすいなどの機能性を重視しているので、生地が薄く、ぴったりとしたサイズ感です。
オーセンティックが実物のユニフォームと同じものであるのに対し、レプリカは裏地などの素材を簡易化して、機能性を省いたものです。
どちらもクラブやサッカー協会が公式に認めたユニフォームメーカーが作っているものであるため、レプリカも決して「偽物」ではありません。
レプリカとは?
レプリカ(replica)とは英語で「原作者が作った複製品、模造品」という意味です。サッカーのユニフォームについては、チームやサッカー協会が認めたオフィシャルのユニフォームメーカーが、サポーターが手軽に利用できるように、「複製」としてレプリカを製造しています。
レプリカはオーセンティックよりも耐久性があり、サイズ感にゆとりがあります。
オーセンティックより価格は安く設定されていますが、公式に認可され、承認されたものなので、決して偽物ではないという安心感があります。
紛らわしいのは、非正規品が「レプリカ品」という名目で販売されていることがある場合です。これはオフィシャルのメーカーが作ったレプリカとは別物で、いわば「偽物」ですので、購入の際はご注意ください。
激安のユニフォームを販売している店も多く見かけますが、多くの場合はレプリカでもオーセンティックでもありません。2,000円程度で購入できるものは非正規品です。グッズ購入によるチームの応援には結びつかず、品質もそれなりであることをよく理解しておきましょう。
コンフィットシャツとは?
オーセンティックやレプリカよりももっと手軽なものとして「コンフィットシャツ」があります。ユニフォームのデザインを模したTシャツで、レプリカよりずっと安く購入できます。ユニフォームを気軽に着てみたいという人には、入門編としてコンフィットシャツが最適です。
オーセンティックとレプリカ、4つの違い
サッカーのユニフォームについて、オーセンティックとレプリカでは4つの点で違いが見られます。
1. 価格
レプリカは、オーセンティックよりも価格が安く設定されています。
オーセンティックは、サッカー選手が最高レベルでパフォーマンスできるように、ユニフォームメーカーが大きな予算を投じて作られたものです。
レプリカは、試合の応援用にサポーターが着たり、普段着として使ったりするように作られているため、オーセンティックのような高い性能が求められていません。
プロ選手仕様がオーセンティック、サポーター仕様がレプリカであり、こうした使用目的の違いが価格に反映されています。
2. 素材
オーセンティックとレプリカでは、素材も異なります。
レプリカは、一般的なスポーツ用のシャツと同じ素材で、重さも通常のものと一緒です。
オーセンティックは、高度な技術によって開発された、吸汗速乾性の高い素材が使用されています。内部で体温を調節できるように作られていて、超軽量となっています。
オーセンティックは特にデリケートなので、洗濯は手洗いにするなど、取り扱いには注意が必要です。
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3. マーキング
オーセンティックとレプリカでは、クラブのエンブレム、スポンサー、ブランド、リーグ/カップのバッジなどのマーキングが異なります。
レプリカは、洗濯や何度も使用できるような耐久性が求められるため、刺繍や縫い付けで処理されています。オーセンティックは、できる限り軽量にするため、熱圧着でマーキングがされています。
4. サイズ感
レプリカとオーセンティックで、最も注目すべき違いはサイズ感です。
レプリカはTシャツやポロシャツのように作られていますが、オーセンティックはよりタイトで、ぴったりと身体にフィットします。特にウエスト、ヒップ、袖の締まり具合に、はっきりとした違いが見られます。
オーセンティックはきつめに作られているため、ピッチで相手側の選手がユニフォームをつかもうとしたとき、簡単にはつかめない仕様となっています。
フィットし過ぎという点が気に入らないが、それでもオーセンティックを着用したいという人は、普段着ているものから1サイズ大きいものを購入するといいでしょう。
公式試合では着用できない
サッカーの試合で、有名クラブチームやナショナルチームと同じユニフォームを着て出場したいという人も多いと思いますが、実は公式試合では、オーセンティックやレプリカを使用できません。
公益財団法人日本サッカー協会(JFA)のユニフォーム規程には、以下のように示されています。
(7)その他
⑤ 各国代表チーム及びプロクラブチーム等のレプリカの着用の禁止
チームは、各国代表チーム及びプロクラブチーム等のレプリカを着用して公式競技会に出場することはできない。
ユニフォーム規程にはレプリカと記されていますが、オーセンティックも同様です。
とはいえ、このルールは公式試合に限ったことであり、仲間うちの練習試合などでオーセンティックやレプリカを着用しても、特に問題ありません。
レプリカをコレクションする場合
日本代表のユニフォームは、シーズンごとにデザインが変わるので、熱心なサポーターの中には、全シーズンのユニフォームをコンプリートしようと買い集めている人もいます。
そんな中で見逃せないのが、数試合限定で使用される記念ユニフォーム。数量限定で一般にも販売されるものは、プレミアがつくコレクターズアイテムです。
コレクターには見逃せない記念ユニフォーム
2021年は、「サッカー日本代表100周年アニバーサリーユニフォーム」が2021個の数量限定で発売され、話題になりました。
この記念ユニフォームは、日本サッカーの黎明期のユニフォームを復刻したデザインです。1930年に初めてサッカーの日本代表チームが編成され、「国土を取り巻く海」をコンセプトに青いユニフォームが作られました。さらに6年後の1936年には、ベルリンで行われた国際大会に青いユニフォームで出場し、初のベスト8入りを果たしました。
「サッカー日本代表100周年アニバーサリーユニフォーム」は、この2つのユニフォームのデザインを復刻させ、100周年記念ロゴを入れた特別なモデル。
スリーボタンのポロシャツ型で、シンプルながら印象的なデザインは、往年のサッカーファンの心をつかみました。
レプリカを購入する際の注意点
日本代表のほかに、海外の有名クラブやナショナルチームのユニフォームをコレクションしているサッカーファンも多いようです。
ホームとアウェイではデザインが違いますし、ユニフォームは2~3年に1回くらいのペースでデザインの変更が行われます。
応援のときに、前のシーズンのユニフォームを着てもまったく問題ありませんが、新しいデザインになったら、それを試してみたくなるのが、サポーターの心理というものでしょう。
そこで、レプリカを購入する際に気を付けておきたいことを、以下にまとめました。
レプリカには背番号が入っています。自分が好きな選手の背番号が入ったレプリカを購入した場合、その選手が他のクラブに移籍することがあります。違う選手がその背番号を引き継ぐわけですが、以前ほどお気に入りの選手ではないかもしれません。
それが気になる人は、背番号が入っていないユニフォームを買うといいでしょう。各クラブでは、多くの場合、サポーター用の背番号として12番を用意しています。背番号12番のユニフォームにしておけば、選手の移籍などを心配する必要がありません。
また、レプリカなどのグッズの売り上げは、チームにとって大事な収入源となります。本物のユニフォームとほとんど見分けがつかない非正規品も出回っていますので、なるべく正規のショップで購入することをおすすめします。
まとめ
オーセンティックもレプリカも、公式なユニフォームメーカーが作っている正規品です。Outfitterでは取扱いがありませんが、サッカーのユニフォームに関する知識として、その違いを知っておくといいでしょう。
(記事作成日:2021.10.10、更新日:2023.4.1)