ユニフォームのマーキング、どんな意味があって、どんな種類がある?
サッカーやフットサルチームで新しいオリジナルユニフォームを作るとき、チーム名、各メンバーの名前、番号、エンブレムを入れる必要があります。これを「マーキング」(名入れ)といいます。それぞれの要素(マーク)にはどんな意味があるのでしょうか。くわしくご説明します。
目次
サッカーユニフォームにはマーキングが必須!
Jリーグの試合やワールドカップなどサッカーの試合を観戦していると、ユニフォームの特定の位置に、チーム名、選手の名前、番号がつけられていることに気がつきます。ユニフォームにこれらの要素(マーク)を入れることを「マーキング」(名入れ)といいます。各要素について、簡単に説明しましょう。
胸ロゴ
ユニフォームの胸部分に入れるのが、「チーム名」です。多くはアルファベットで表記されます。使用する文字フォントによってイメージが違ってくるので、どんなフォントが自分たちのチーム名に合うか、じっくり検討しておきたいところ。Outfitterのオンラインカスタマイザーでは5種類のフォントから選べます。
エンブレム
左胸の上部には、チームエンブレムが入れられます。
日本サッカー協会(JFA)の「ユニフォーム規程」(以下「ユニフォーム規程」)では、「シャツには、チーム識別標章(チーム名、チームエンブレムもしくはその両方)を必ず表示しなければならない。」と定めています。
チーム名かチームエンブレムのどちらかをシャツの前面に必ず入れる必要があります。両方入れてもよく、もしもチームエンブレムがなければ、チーム名だけ、またはチーム名を入れず、チームエンブレムだけでもOKです。
胸番号
ユニフォームの胸と背中には選手番号が入れられます。「ユニフォーム規程」では、「シャツの前面及び背面には、選手番号を必ず表示しなければならない」と定めています。胸番号の位置は「任意」なので、中央に入れるのが定番ですが、最近は右胸、左胸に入れるパターンも増えています。
背番号・パンツ番号
背番号はマーキングの中でも最も重要な要素です。選手を特定できるように、審判員や他の選手にはっきり見える必要があります。「ユニフォーム規程」では、背番号の位置は中央と決まっていて、サイズは縦25cm~35cmと定めています。
パンツ番号は「任意」で、入れる場合は前面の左右どちらか一カ所で、サイズは縦10cm~15cmと定めています。
なお、「第4種のチームや身長150cm以下の選手等が着用する小さいユニフォームの場合は、サイズを適宜縮小することができる。」と定めているのに従って、Outfitterでは、キッズ用のユニフォームは番号のサイズを縮小しています。
背ネーム
ユニフォームの背中には、アルファベット表記で選手名を入れるのが一般的です。「ユニフォーム規程」では、選手名の表示は「任意」としているので、入れても入れなくてもOK。入れる場合は、「選手番号の上(当該箇所に広告掲示がある場合は、選手番号の下)」で、サイズは縦7.5cm以下と定めています。
Outfitterでは、背ネームの文字の形状を「ストレート」と「アーチ」の2種類から選ぶことが可能です。
マーキングの種類
オリジナルのユニフォームは、ブランドロゴ以外、何も入っていないシャツやパンツにマーキングを行うことで、はじめて完成します。では、マーキングの方法にはどんな種類があるのでしょうか。
圧着プリント
圧着プリントとは、番号や文字の形に切り抜いたマークを専用マーキングシートにプリントし、高温高圧のプレス機で生地に転写させる方法です。一重、二重、三重と重ねることができます。Outfitterでは、一重のみの対応となっています。
長所は、インクプリントでは表現できない豪華さがあります。
短所は、使用状況にもよりますが、経年劣化で最終的には剥がれなどが出てきます。また、あまり細かい図柄は表現できません。
昇華プリント
昇華プリントは、生地を直接染めるタイプのプリント方法です。
長所は、素材感の軽さ、柔らかさを損なわないこと。細かい図柄や文字、グラデーションの表現が得意で、デジタルデータや画像データもそのまま転写できます。
短所は、昇華インクは非常にデリケートなため、高熱、漂白剤等で色落ちする可能性があります。使用状況にもよりますが、経年劣化で色が薄くなることがあります。
刺繍・ワッペン
刺繍・ワッペンの長所は、高級感があり、ユニフォームのグレードを確実にアップさせることです。金色、銀色にも対応可能。色落ちもなく、強固で立体的な仕上がりになります。
短所は、細かい絵柄や文字、線などの表現には適さず、素材感が重く、硬くなること。色数が多くなればなるほど、単価が高くなります。
サッカー選手の背番号にはどんな意味がある?
マーキングについて一通り説明しましたが、ユニフォームでもっとも重要な要素である背番号には、どんな意味があるか、ご存知でしょうか。サッカーの背番号には、ポジション自体を表すものと、役割を示すものがあります。では、背番号はいつ頃から導入されたのでしょうか。
最初に背番号が使われたのは…
サッカーに背番号が初めて導入されたのは、1928年のイングランドリーグといわれています。当時のフォーメーションは2-3-5が主流でした。その配置に対応する番号が、背番号に振り分けられたのです。ゴールキーパーを1番とし、フォワードまで順番に大きくなっていくように、1番から11番まで固定されていました。
以来、国やリーグによって例外がありますが、サッカーでは「選手番号の1番はゴールキーパー」という暗黙のルールがあります。
そして今でも、2番~5番はデイフェンダー(DF)、6番~8番はミッドフィルダー(MF)、9番~11番はフォワード(FW)に振り分けることが多くなっています。
Jリーグの規約・規程集の中の「ユニフォーム要綱」では、「選手番号は、0は不可とし、1をゴールキーパー、2~11をフィールドプレーヤーとする。12以降はポジションと無関係とし、50までは欠番を認める。ただし、51からは連番で番号をつけることとし、欠番は認めない」としています。
背番号0の選手を見かけないのは、このルールに則っているんですね!
ユニフォームに入れるのは上の名前? 下の名前?
サッカーのマーキングでは、背中に選手の名前を入れます。
前述のJリーグの規約・規程集の「ユニフォーム要綱」では、「第11条〔選手名の表示〕(1) シャツおよびショーツには、選手名、登録名またはそれらの一部を表示することができる。ただし、Jリーグの指定するフォントおよび色を使用しなければならない。」と定めています。
選手名、登録名とあるように、事前に申請さえすれば、愛称などを登録名として使用することが可能です。
Jリーグでは、名字(苗字)が一般的ですが、「下の名前」や「ニックネーム」をユニフォームネーム(ユニネーム)にしている選手もいます。
元日本代表の横浜F・マリノスの中村俊輔選手は「SHUNSUKE」、中澤佑二選手は「BOMBER」と表記していました。中澤選手の「BOMBER」とは愛称である「ボンバーヘッド」に由来するものであり、特徴であるヘアスタイルとともに、ひときわ異彩を放っていました。
東京五輪で若きエースとして活躍した久保建英選手の背ネームは「TAKE」で、これはバルセロナ時代の愛称に由来するそう。
Outfitterでユニフォームを作るユーザーは、下の名前や愛称で背ネームを作る人が比較的多いです。ユニネームに工夫を凝らすことで、サッカーをよりエンジョイしたいという意識がうかがえますね。
Outfitterでできるマーキングの種類、価格
Outfitterでマーキングを行う場合、それぞれ料金が異なります。
エンブレムは8種類のテンプレートから選べる「定型エンブレム」、もしくは自分のチームのオリジナルロゴを使用できる「オリジナルエンブレム」を選択できます。
Outfitterでマーキングを行う際の注意点
・シャツの胸(B位置)にスポンサーロゴを入れると、ディスカウントを受けることができますが、チーム名を入れることはできなくなります。
・Outfitterでは、日本代表のレプリカユニフォームなど、持ち込みのユニフォームにマーキングを行うことはできません。
・オリジナルエンブレムを選択した場合は、必ずメールでデザイン確認を行う必要があります。お客様が確認した後に加工を進めるので、連絡が取れない場合は納期が遅くなる場合があります。
エンブレムのマーキングはカラーキャムで
Outfitterでは、エンブレムはカラーキャムという方法でマーキングを行っています。カラーキャムは、特殊プリンターでフルカラー印刷を行ったラバーを圧着するので、非常に軽い仕上がりになるのが特徴です。
メリットとしては、製版が不要で複数の色が使用できます。カラー表現の自由度が高く、グラデーションや複雑な模様にも対応できます。
デメリットは、経年劣化で色が薄くなる、剥がれなどが出ることです。金色、銀色、蛍光色などは使用できません。デザインによりますが、生地と同色のフチ、または白のフチが必ずつきます。
ユニフォーム規程
以上で、ユニフォームのマーキングについての基礎知識を簡単にご説明しました。実際にユニフォームを作る際には、ルールをあらためて確認する必要があります。出場を予定している大会要綱にある「ユニフォーム規定」、もしくは日本サッカー協会(JFA)の「ユニフォーム規程」に一度目を通しておくことをおすすめします。
公益財団法人日本サッカー協会(JFA)の「ユニフォーム規程」は公式サイトの「各種規則等」ページの「登録に関する規則」という項目の中にあります。
まとめ
ユニフォームのマーキングには重要な意味があり、それぞれの位置やサイズは日本サッカー協会(JFA)「ユニフォーム規程」で定められています。
Outfitterのマーキングは「ユニフォーム規程」に則っており、一流のプリント加工会社である「株式会社ダイヤモンドマーク」が製作しているので、仕上がりの美しさに定評があります。ぜひお試しください。