フットボールユニフォームの老舗ブランド「UMBRO」

日本では後発の印象かもしれませんが、世界に目を向ければフットボールユニフォームの老舗。母国イギリスでは、サッカーを含むオリンピック代表のチームウェアを、20年に渡り手掛けました。英国の古き良き伝統と、気品、そして革新を併せ持つUMBROを紹介します!

「HUMPHREYS・BROTHERS」社、略して「UMBRO」!

イギリス人のハロルド・ハンフリーズが、イングランド北西部マンチェスターのウィルムスローに1924年、スポーツウェア製造会社「HUMPHREYS・BROTHERS(ハンフリー・ブラザーズ)」社を設立。のちに「UMBRO(アンブロ)」と呼ばれるブランドの前身であり、スポーツウェアとテイラーリング(仕立て)の世界に、多くの革新をもたらすことになります。

起業のきっかけは、前年の1923年に開催された、ボストンとウエストハムによるFAカップ決勝戦でした。実に20万人を超える大観衆の人波が、スタジアムに押し寄せたといいます。この一戦は、フットボールが一介のリクリエーションから、国民の熱狂を誘う一大イベントになったことを象徴していました。

まだ駆け出しの仕立て屋だった若き21歳のハロルド・ハンフリーズは、この熱狂を目の当たりにし、急成長するスポーツウェア事業にこそ、自身の能力を活かすチャンスがあると確信。兄弟のウォレスとともに小さなウォッシュハウスで工場を開設したというのが、「UMBRO」のルーツというわけです。その名前は創業時の社名「HUMPHREYS・BROTHERS」社から、「UM」と「BRO」を抽出して短縮化した、まるでニックネームのような造語に由来しています。

UMBROの創始者であるハロルド・ハンフリーズ

ハンフリーズの起業精神に火をつけた1923年FAカップ決勝戦

驚異的な生産力。驚異的な配送力!

初めは、手押し車に商品を載せて配達するような小規模の事業でしたが、1928年、設立からわずか4年のうちにUMBROは、5000チームに製品を供給できるほどに生産力を高めます。顧客の需要に対応するために、注文を受けてから48時間以内に商品を届ける前代未聞のサービスを開始。

そして、設立から10年後には、1934年のFAカップ決勝に勝ち進んだマンチェスターシティとポーツマスの両チームに、UMBROのユニフォーム・キットを提供するまでに急成長を遂げ、その存在が広く知られるようになりました。

マンチェスターシティがトロフィーを地元マンチェスターに持ち帰ったとき、その洗練されたUMBROのユニフォームに、誰もが目を奪われたといいます!

UMBROに対する忠誠心の象徴だった「壁掛け時計」

1949年、UMBROの創立25周年を祝って、従業員からハロルド・ハンフリーズに壁掛け時計が贈られました。すべての従業員がお金を出し合ってプレゼントを購入したそうです。

その後の長い間、この壁掛け時計はUMBROに対する、従業員が遵守すべき忠誠心のシンボルとなります。製品の注文が多いとき、従業員はしばしば時計の針を戻し、仕事を完遂するための時間を捻出。彼らの仕事をやり遂げるプロフェッショナルな姿勢こそ、ハンフリーズの誇りだったのです。

しばしば針が「逆戻し」にされたという壁掛け時計

UMBROがオリンピックイギリス代表のウェアを手掛ける

1952年にヘルシンキで開催された夏季オリンピックに、イギリス代表チームはUMBROをまとって出場しました。それらのウェアは、各競技のニーズに合わせてUMBROがそれぞれ開発した仕様だったといいます。

その功績と製品の完成度の高さが称えられ、以降20年にわたってUMBROは、オリンピックのイギリス代表選手にウェアを提供します。

超えられない壁を、UMBROとともにクリア!

ロンドン出身の中長距離者ロジャー・バニスターが1954年、オックスフォード大学のトラックで、偉業を成し遂げます。1マイル(1609.344メートル)レースで世界初となる4分を切るタイム(3分59秒4)を記録。

トレーニングに科学的手法を取り入れた長年にわたる練習の末に、バニスターは不可能を可能にし、歴史に名を刻みました。バニスターによる記録更新まで「1マイル4分」は、「brick wall(レンガの壁)」とたとえられ、人類としては「超えられないもの」として、エベレスト登頂や南極点到達よりも難しいとさえ言われていたほどです。

2000年、『ライフ』誌が選出した「この1000年で最も重要な100人」に、存命の人物として唯一選ばれたバニスター。偉業の達成にはもちろん、UMBROの高性能ウェアが寄与したのはいうまでもありません。

人類で初めて、1マイルを4分未満で走ったロジャー・バニスター

1966年FIFAワールドカップで、イングランドが悲願の戴冠

UMBROのユニフォームを着て初めてFIFAワールドカップに優勝した国は、1958年大会を制したブラジルでした。ブラジルは4年後の1962年大会にも優勝し、2連覇を達成。UMBROの知名度を押し上げます。

さらなるブランドの飛躍を誓い、続く1966年のワールドカップに向けてハロルド・ハンフリーズの息子であるジョンは、交渉のために各参加国を訪問して回ります。その結果、出場16カ国中、15カ国とのサプライ契約を締結。

UMBROはそれぞれの国の要求に合わせて、シャツ、パンツ、ストッキングのユニフォーム・キットを製作しました。さらに3週間におよぶ長期の大会を戦う選手たちが、練習や休息、そして試合といった異なるシーンに合わせて最適な格好を選べるよう、実に5000種類もの衣服を用意したといいます。なかにはチームのスター選手のために、1試合につき30着ものユニフォームを必要とする国さえありました。

この大会で、フットボール発祥の地でありながらまだ優勝のなかった地元イングランド代表が悲願の戴冠。そのユニフォームにはもちろん、UMBROのロゴがあしらわれていました。

イングランド対西ドイツによる1966年FIFAワールドカップ決勝戦。ともにUMBROのユニフォームを着用

「ステータス」になったUMBRO

1966年の時点でイギリスのフットボールクラブの実に85%が、UMBROのユニフォーム・キットを選択。確固たる地位を確立するに至ります。

それだけでなく、練習着やジャージ、レインウェア、トレーナーなど、時代を重ねるごとにUMBROが取り扱うスポーツウェアの種類は増え続け、ついには学校の校庭やストリートでのファッションにも欠かせないアイテムとなりました。

ロックスターでさえ、胸にUMBROの「ダブル・ダイヤモンド」が施されたシャツを着て、ステージ上で熱唱。UMBROは、「ステータス」となったのです。

子どもたちが、あこがれのスター選手に変身!

1959年、UMBROは子どもたちに向けてスポーツウェアを特別に仕立てたギフトをしつらえます。キッズ向けレプリカのユニフォーム・キットをリリース。レプリカがファッションとして一般的になる以前、キッズサイズの手ごろな値段のユニフォームを考案したのが、UMBROだったのです。

このキットを身に着けさえすれば、若きフットボーラーたちはあこがれのスター選手と同じ格好に変身することができました。気分は上々。その後、世界に広がる一大産業となったレプリカ・キット事業が展開され始めたのです。

「何でもいいからスポーツ用品をくれませんか?」

1970年代から1980年代にかけては、ヨーロッパのピッチを支配したリバプールや、プレミアリーグ、FAカップ、UEFAチャンピオンズリーグの3冠を達成したマンチェスターユナイテッドがUMBROのユニフォームを着用。そのほかにも歴史に名を残す偉大なクラブ、名勝負の数々が、UMBROのユニフォームとともにあったのです。

1987年、当時サウサンプトンのユースチームに所属していた17歳のアラン・シアラーは、UMBRO宛に「何でもいいからスポーツ用品をくれませんか?」と手紙をしたためました。この申し出に対し、UMBROは5足のスパイクを提供します。

フットワークが洗練されると、ほどなくしてシアラーは、サウサンプトンのトップチームへ昇格。そしてデビュー戦でいきなりハットトリックを記録しました。

シアラーがチームの先発リストに名を連ねるまでに、時間はかかりませんでした。その後UMBROと正式な契約を結んだシアラーは同世代で最高のストライカーに成長し、やがてイングランド代表のエースにまで上り詰めます。

UMBROを身にまとったシアラーはキャリアを通じて数々のタイトルに恵まれ、プレミアリーグとニューカッスルの最多得点記録保持者の座に君臨したのでした。

アラン・シアラー。右胸に輝く「ダブル・ダイヤモンド」のロゴは、品質と信頼性の保証

日本ではDESCENTEがUMBROブランドの普及を推進

日本では1998年にDESCENTE(デサント)が、国内における商標使用権を取得。1999年春夏シーズンからJリーグの一部クラブにユニフォームを供給し始めるほか、日本フットボールリーグのスポンサーとしても活動を開始します。

2002年の日韓ワールドカップで、イングランド代表のデイビット・ベッカムがUMBROのユニフォームを着用。世界的なアパレルブランドやデザイナーとのコラボレーションを通じて、国内における知名度を高めました。

2003年、ガンバ大阪と契約。2008年にACLで優勝し、アジアチャンピオンとなりました。2005年と2014年にはJリーグタイトルを獲得。ガンバの最盛期をともに過ごしたのが、UMBROだったのです。

大阪に本社を置くDESCENTEとガンバ大阪の関りは深く、互いに人気と知名度を高め合う間柄

細身なのに動きやすいこれまでになかったピステ

DESCENTEが掲げる「すべての人々にスポーツを遊ぶ楽しさを」の企業理念から提供されるプロダクトについて、同社ブランドマーケティング部門・島村隆宏氏の話を交え最新製品情報を盛り込みご紹介します。

デサントの企業理念について

まずクラブや選手と契約することで、どんなメリットがあるのか? 「ブランド認知アップ、プロ選手の声を採用した商品開発ができること、プロの声を反映した商品開発」と島村氏は狙いを明かします。たとえばニューアイテムとして、従来のピステに抱いていた既成概念を覆す、細身のシルエットを開発。

ジッパーを用いないピステは胸でボールをトラップするサッカーの練習着として欠かせませんが、従来品といえば防風に重きを置いた仕様で、ストレッチ性がなく、ルーズなシルエットにせざるを得ないのが一般的でした。

UMBROの新作「Lined Cross(ラインドクロス)」は、「細身なのに動きやすいこれまでになかったピステ」と島村氏が胸を張る仕上がりです。「biasystem(バイアシステム)」の採用により、従来だと相反していた可動域の広さとタイトシルエットを両立。スタイリッシュなデザインかつ、伸縮&撥水の高機能を維持しながら、身体の動きに馴染む設計でパフォーマンスの向上がアシストされます。

①動きやすい、②スタイリッシュ、③タイトシルエットの3つの特徴を持つ次世代ピステ「Lined Cross」

Lined Crossについて

UMBRO製品の最新情報について、選手たちによる生の声をお届け!

現在、取り組んでいるプロジェクトとして島村氏は、「U.D.F.C.Ambassador」についてフィーチャーします。

アルファベットは「UMBRO DIAMOND FOOTBALL CLUB」の略で、UMBROを愛し、さまざまな形でサッカーに関わるアンバサダーが、メッセージを発信するプロジェクト。製品について選手による生の声を聞けるとあって、UMBROの魅力を知るための最適な情報ツールとして注目を集めます!

UMBROアンバサダーが、UMBRO製品の魅力について語る「U.D.F.C.」

U.D.F.C.《UMBRO Diamond Football Club》について

「16色の多色展開」でアドバンテージを掌握!

ユニフォームの素材や特長については、「プレーヤーにとって快適な環境づくり」(島村氏)を念頭に置いているそうです。具体的には、プレーに直接的な影響が及ぶ「吸汗速乾、ストレッチ」を重視。デザインにも力を入れていて「16色の多色展開」に強みを持ち、他社に対して圧倒的なカラーバリエーションの多さによりアドバンテージを掌握します。

ユニフォームを作るうえで大事にしていることは、「カラー展開の豊富さ、シンプルながらもオーセンティックなイメージ」と島村氏。デザインにもこだわるけれど、あくまでもフットボールユニフォームとしてのプレーアビリティを重視。ピッチでも街中でも映えるUMBROから、目が離せません!

あこがれのUMBROユニフォームをリーズナブルにまとえる「Outfitter」サービス

イオン・シグナスポーツ・ユナイテッドのユニフォームオーダーサービス「Outfitter」では、UMBROの高機能性ユニフォームを、スポンサーロゴを配置することで最大半額になる仕組みを取り入れています。

アマチュアスポーツを金銭的にサポートしたい意向。それと同時に、アスリートライクなスポンサーロゴはデザインの一部とみなされ、「プロと同じようなものがほしい!」というユーザーの要望を反映させたサービスを実現しています。

取り扱いユニフォームをチェックしましょう!

【UMBRO】 ゲ-ムS/Sシャツ
¥4,290(税込)

「UMBトリコットカノコ」素材が快適な着心地と優れた強度を両立。試合時のハードなボディコンタクトにも耐えるタフな仕様です。汗を素早く処理し、肌をドライに保つ吸水速乾性にも優れるゲームシャツです。

【UMBRO】 ベーシック セカンダリー シャツ
¥2,750(税込)

日々のトレーニングはもちろん、練習試合用としてもオススメのプラクティスシャツ。肌面の凹凸組織と「UMBバックハニカムニット」の採用により、吸汗速乾性に優れます。パーソナルシーンでもチームシーンでも大活躍するアイテムです!

【UMBRO】 ディヴィジョン セカンダリー シャツ
¥3,190(税込)

海外クラブチームのユニフォームデザインと連動したセカンダリーシャツ。肌面の凹凸組織と「UMBバックハニカムニット」の採用により吸汗速乾性に優れます。日々のトレーニングはもちろん、練習試合用としてもオススメのプラクティスシャツです。

【UMBRO】 TR プラクティス ウーブンパンツ
¥3,190(税込)

吸汗速乾機能に加え、ストレッチ性も備えた動きやすいプラクティスウーブンパンツ。ウエストにフィット性を高めるゴムを使用するとともに、腹囲微調整用のヒモも備えます。

【UMBRO】 ストッキング
¥1,760(税込)

ワンポイントロゴを配した定番のストッキング。履きやすくズレにくいフィット性に自信。蒸れにくく、サラリとした快適な履き心地が長時間に渡り持続します。

【UMBRO】 プラクティス ストッキング
¥1,210(税込)

ヒザ下に2本のラインを配したプラクティスストッキング。レガースがしっかりと固定され、スネ部分を覆い保護できます。

【UMBRO】 JR ゲ-ムS/Sシャツ
¥3,960(税込)

「UMBトリコットカノコ」素材が快適な着心地と優れた強度を両立するジュニア用ゲームシャツ。大人用と同様、試合時のハードなボディコンタクトにも耐えるタフな仕様です。汗を素早く処理し、肌をドライに保つ吸水速乾性にも優れます。

【UMBRO】 JR ベーシック セカンダリー シャツ
¥2,640(税込)

パーソナルシーンやチームシーンで活躍する、ベーシックデザインのセカンダリーシャツです。肌面の凹凸組織と吸汗速乾性に優れた生地の採用により、軽快な着心地を実現。日々のトレーニングはもちろん、練習試合用としてオススメのプラクティスシャツです。

【UMBRO】 JR ディヴィジョン セカンダリー
¥2,970(税込)

海外クラブチームのユニフォームデザインと連動したジュニア用のセカンダリーシャツ。肌面の凹凸組織と「UMBバックハニカムニット」の採用により吸汗速乾性に優れます。日々のトレーニングはもちろん、練習試合用としてもオススメのプラクティスシャツです。

【UMBRO】 TR JR プラクティス ウーブンパンツ
¥2,970(税込)

吸汗速乾機能に加え、ストレッチ性も兼備した動きやすいジュニア用プラクティスウーブンパンツ。ウエストにフィット性を高めるゴムを使用するとともに、腹囲微調整用のヒモも備えます。

【UMBRO】 JR ストッキング
¥1,650(税込)

ワンポイントロゴを配した定番のジュニア用ストッキング。履きやすくズレにくいフィット性が特徴。適度な着圧により、快適な着用感が持続します。

【UMBRO】 プラクティス ストッキング
¥1,210(税込)

ヒザ下に2本のラインを配したプラクティスストッキング。レガースがしっかりと固定され、スネ部分を覆い保護できます。

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