バレーボールのユニフォーム、色はどうやって決めているの?

自分たちのバレーボールチームにぴったりなユニフォームを作りたい。でも、公式戦で使えるものを作ろうとしたら、実は使用できる色にルール(規定)があるのです。どんな規定があるか、ご存じですか?

ユニフォーム規程について

公益財団法人「日本バレーボール協会」(以下JVA)の競技要項(平成31年3月30日改訂版)の中の「ユニフォーム規程」では、色について以下のように定めています

ユニフォームの定義

JVA「ユニフォーム規程」では、ユニフォームの色について、

  • チームは、カラーの異なった2種類のユニフォーム(ジャージ(シャツ)・ショーツ)を用意することが望ましい。
  • ユニフォームは配色やデザインが統一されていなければならない。(リベロプレーヤーを除く)
  • ユニフォームのメインカラー(主たる色)は、65%以上を占めていることとする。
  • ジャージ(シャツ)およびショーツは色、デザインが統一されていること。
  • ソックスは色および長さが統一していること。
  • と定めています。

    ユニフォームの色について

    バレーボールのユニフォームには、「シャツのメインカラー(主たる色)が65%以上を占めていなければならない」というルールがあります。

    ただし、ユニフォームに使用が禁止されている色はありません。サッカーの場合、審判(レフェリー)と被る黒色や濃色の使用が禁止されていますが、バレーボールにはそうした規程がないのです。

    バレーボールに限らず、各競技のユニフォームでメインカラーに使用されるのは、多くの場合、チームのシンボルカラーです。国家代表チームは、国旗に使われている色などのナショナルカラー、Vリーグの場合は、所属する地域や企業、団体のシンボルカラーが使われています。

    特にチームのシンボルカラーが決まっていないときは、ユニフォームに使う色は、色のもつイメージや心理的効果を意識して決めることをおすすめします。例えば、攻撃型のチームには活力を沸き立たせる赤系統、守備型のチームには鎮静作用のある青系統が効果的です。

    1人だけユニフォームの色が違う選手がいる

    バレーボールでは、ときどきコートの中に1人だけユニフォームの色が違う選手が混じっていることがあります。これは「リベロ」というポジションの選手です。

    サッカーのリベロは攻撃も守備も自由にできるポジションですが、バレーボールのリベロは守備に限定されています。レシーブをするだけで、前衛でスパイク、ブロック、サーブを行うことは禁止されています。

    バレーボールでは1セットに6回までメンバーチェンジができますが、リベロはこの中に含まれず、何度でも自由に入れ替わることができます。

    このため、リベロが他のメンバーとはっきり区別できるように、「リベロプレーヤーはチームの他の競技者とはっきりと区別できる対照的な色のユニフォーム(少なくともジャージ(シャツ)だけは)を着用しなければならない」とJVAのユニフォーム規程に定められています。

    そのため、リベロはチームが2種類用意したユニフォームのうち、他の選手とは別の方を常に着用しています。

    男子日本代表のユニフォームの色

    バレーボール男子日本代表は、JVAが2009年3月から4月にかけて実施した公募により、「龍神NIPPON」という愛称で呼ばれています。


    2021年 東京オリンピック
    東京オリンピックでの日本のナショナルチームは、ユニフォームに国旗の色である「赤」と「白」を使用するほかに、チームカラーとしてバレーボールチームでは「黒」を登録しました。「黒」には「自信と威厳」という意味があります。バレーボール男子日本代表のユニフォームサプライヤーはアシックスです。

    女子日本代表のユニフォームの色

    男子日本代表の「龍神NIPPON」に対し、女子日本代表の愛称は「火の鳥NIPPON」です。


    2021年モデル「ダイバーシティコンセプト」
    女子日本代表のユニフォームは、毎シーズン新しいテーマが発表されています。2021年モデルのテーマは「ダイバーシティコンセプト」。東京の街を背景に選手と応援するすべての人々のそれぞれの思いが融合することで、躍動する日本の一体感と沸き立つエネルギーを表現しています。また、先の見通せない状況でも、人々の思いを繋ぎそれぞれの挑戦を後押ししたいという思いを込めています。

    メインカラーには、「ダイバーシティーブルー」と「エナジーレッド」を採用。「ダイバーシティーブルー」は、日本古来の勝色である濃紺から冷静さをイメージする藍白のグラデーションで構成。「エナジーレッド」は日の丸の赤をテーマに選手の持つエネルギーで日本中が沸き立ってほしいという思いを込めています。バレーボール女子日本代表のユニフォームサプライヤーはミズノです。

    東京五輪・女子金メダル/アメリカ代表のユニフォームの色

    2021年東京オリンピックの女子バレーボールは、アメリカがブラジルを破り、金メダルを獲得しました。

    アメリカ代表のユニフォームの色は、ジャージ(シャツ)は赤、ショーツは濃紺、ソックスは白で、アメリカの国旗の色3色を使用しています。バレーボール女子アメリカ代表のユニフォームの公式サプライヤーはアディダスです。

    東京五輪・男子金メダル/フランス代表のユニフォームの色

    2021東京大会のバレーボール男子決勝は、フランスがROC(ロシアオリンピック委員会)を下し、金メダルを獲得。バレーボール男子フランス代表にとっては、初のメダルが金メダルとなりました。

    シャツは、ブルーから紫に変わるグラデーションに、肩から胸にかけてと裾まわりに白と赤紫の水玉があしらわれています。パンツは、黒に近い濃紺。ソックスは白。公式サプライヤーはエレア(errea)です。

    まとめ

    オリンピックなどの国際大会に出場しているナショナルチームのユニフォームは、その国の国旗の色を使用している事例が多く見られます。日本は「赤」と「白」で、「赤」は博愛と活力、「白」は神聖と純潔を表しています。ユニフォームの色にこめられた意味を知ると、いっそうユニフォーム姿の選手たちが輝いて見えますね!

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