自慢の勝利ウエアは、憧れのマンチェスター・シティFCを意識!

夏休みも終わりに近づいた週末、『Outfitter Cup』の優勝チーム、武蔵野ウイングスの練習を見学するため、武蔵野市立第三小学校のグランドを訪れました。

2022年5月15日、東京・武蔵野市にあるフットサルパーク吉祥寺にてU-11の『Outfitter Cup』が開催されました。参加チームは、都内の蒲田ボンバーズ(大田区)、TOKYO SAN-IKU FC(練馬区)、武蔵野ウイングス(武蔵野市)の3チーム。キャンセルチームの代わりに、TOKYO SAN-IKU FCが2チームに分かれ、計4チームのトーナメント優勝をかけた、フットサルの試合が行われました。

サッカーを通じた子どもたちの教育を支援している「サカイク」が主催した今大会は、優勝チームに「Outfitterユニフォーム11枚分」の無料作成権が手渡されるとあり、どのチームも熱い試合展開でした。その戦いに勝利を収めたのが、地元吉祥寺の武蔵野ウイングスです。

完成したユニフォーム姿の選手たち。この日は出場選手のうち5人が練習に参加していました

武蔵野ウイングの設立は1985年。小学校1年生から6年生が所属しているチームで、第三小学校の他、近くの小学校からも児童が参加しています。

今年入った1年生は40期生。現在は約60名の児童が所属しコーチは主にその学年の保護者が担当しています。コーチを務めるみなさんの多くは、サッカー経験があり、コーチ資格を取得していますが、中にはお子さんと一緒にサッカーをやっているうちにもっと勉強したいということで、資格を取ったという保護者もいるそうです。OBやOGが一緒に活動することもあり、武蔵野ウイングスで育った子どもたちの絆をみんなが大切に育てているというのが伝わってきます。

『Outfitter Cup』では最初からスピードのある攻撃とチームワークが際立っていました。他のチームを追い詰めてゴールを決めていた武蔵野ウイングス。その練習は、厳しいものなのでしょうか。

「うちのチームは、たとえばコーンを使ってドリブル練習というような、サッカーの基本練習らしいものをあまりしていないという特徴はありますね」

そう教えてくれたのは、大会のときにもお話を伺った加藤コーチです。

「重点を置いているのは、まず相手がいて味方選手がいて、相手が動くという前提の中で、どうやって周りを見るのか、他者を意識して動くのかということです。小学生なのでまだ成長の差があります。背が高い、低いや、足が速い、遅いとか。個人技術で差がつくような練習ばかりというのは、面白く感じないことが多いです。そこで重要視しているのは、みんなで協力していくことで生まれるサッカーの面白さですね」

そうした中で、成功体験を重ねていくうちに、サッカーの楽しさを子どもたちが知っていくことになるといいます。

サッカーが強くなるのは、基礎練習を地道に積み重ねていくことも大切です。子どもたちが飽きないよう、気持ちを高く持って練習に取り組める工夫しているそうです

しかし、その一方で、勝ちを求めるのも自然なことだと言います。「特に5年生くらいになれば、サッカーの楽しさを十分にわかった上で、勝ちたいと強く思うようになります。このバランスは難しいですが、勝つための采配を大人がするのではなく、子どもの自然な気持ちを尊重しつつ、勝利と育成のバランスを考えて接しています」と加藤コーチ。

そんな心身ともに日々成長を見せている子どもたちにとって、ユニフォームが優勝賞品というのは、試合へのモチベーションがとても上がるのは間違いないようでした。

子どもたちの試合について、コーチの目から見ると、「守備に回る瞬間、ボールが外にでて攻撃側になった時の切り替え」が、勝ちたいという思いに強く繋がったようで、大会ではそれが本当にうまくできていたと話します。

5年生を担当する加藤コーチ。自身もウイングスの2期生でした

また試合中のパスを繋げていくところも「蹴るという技術の正確さも大切ですが、いい状態の味方を見つけたらその相手がどうしたいかと判断しなければ、うまくボールは繋がりません。そういうことを子どもたちは特にできていました」と加藤コーチ。

試合中の声掛けについても、普段からポジティブな言葉での声掛けができるようコーチたちは意識しており、それが子どもたちにも身についているといいます。「サッカーはミスをして当たり前。だからミスは責めません。ミスを怖がりチャレンジしない方が残念です。失敗を恐れないことも勝利に繋がっていったと思います」

練習時のウエアは、基本自由だそうですが、大会に出場した子どもたちは、自分の名前が入ったOutfitterのオリジナルウエアを好んで着ているといいます

サッカーは足だけという制限の中でやるからこそ面白い。いいパスが繋がって仲間と喜び合えることの大切さも子どもたちに伝えていきたいとコーチは話します

ところで、賞品のユニフォームのデザインは、どのように決めたのか保護者の入江さんに伺いました。

「大会終了後すぐに、子どもたちも大いに盛り上がってデザインについて興味津々でしたね。見た目がいいものもたくさんありましたから。子どもたちにアンケートを取りながら、決まったのは彼らが好きなプレミアリーグのマンチェスター・シティFCをイメージしたものでした」

ウエアのカラーは水色とすぐ決まり、スポンサーロゴの選択で重要視したのは、とにかくデザイン性が高い英文字のもの。そこで目を惹いたのが住友生命「Vitality」のロゴでした。グレー地に白抜きのテキストは書体デザインもかっこよくクールな印象で、ウエアを手にしたとき、子どもたちは大喜びだったと話します。

「WEB上で、ロゴ位置から出来上がりまでシミュレーションできるのがいいですね。子どもたちの希望を大切にしてできあがったのが、今回の自慢のウエアです」と入江コーチ。

勝てばウエアが作れる!と、俄然やる気と頑張りのテンションを上げた子どもたち。サッカーが好きで集まったみんなの気持ちを大切に、ここでたくさんの仲間作りをしてほしいと入江コーチ

勝利の証しであるウエアを着た子どもたちは、10月後半から始まる全国大会に向けての予選に焦点を当てて、練習に励んでいました。

加藤コーチは、武蔵野ウイングスのチーム理念は、サッカーを通じて人間育成をしていくことだと言います。練習をきちんとこなしている子どもたちに出場の機会をしっかり与えてあげたい。そして、みんなで共に仲良く卒業するというのを目標にしていると話します。

「ここでサッカーの楽しさに触れ、その経験をたくさんさせてあげること。学校に関係なくサッカーを通じ友達が増え、サッカーの面白さをもっと広げていってくれたらと願って指導しています」

サッカーは楽しい。その気持ちのまま武蔵野ウイングスから送り出して、サッカーが人生の趣味の一つになってくれたらうれしいと言います。

ウエアを着た子どもたちに声をかけると、自分の名前が入った部分を自慢気に見せてくれました。こちらに向けられたみんなの顔は、一夏の間にさらにたくましく、そして眩しく成長しているようでした。

体格や生まれ月で差が出やすのが小学生。成長のハンディがあってできないと思うことも、中学生や高校生になったら逆転するもの。子どもたちの頑張りの範囲をよくみて、サッカー好きな気持ちをコーチは引き出しています

取材/二木暁子 写真/多嘉山ぺルシー

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