バスケのユニフォームの下に着るインナーの種類と注意点

バスケットボールは運動量が多いスポーツのため、たくさんの汗を吸収・発散し、体温調節を果たしてくれるユニフォームの下に着るインナーが欠かせません。今回は公式試合に使うインナーについてのルールや、インナーの種類や機能について説明します。

インナーとは

インナーとは、トレーニングウエアやユニフォームの下に身に付ける下着のことです。

インナーの機能や役割について知っておくことで、日々のトレーニングをより充実させることができます。これからインナーを選ぶ際の参考にしてください。

インナーを着るときの注意点

バスケットボールの公式試合で身に付けるユニフォームやインナーについては、公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)が定める「競技規則」や「ユニフォーム規定」でルールが定められています。

公式試合に出場予定がある場合、ユニフォームとインナーがこれらのルールに合っているかどうか、必ずチェックしておきましょう。

公式試合で着るインナーにはルールがある

2015年の「競技規則」の変更により、ユニフォームのパンツからはみ出す丈のインナーは認められなくなりました。国内での公式試合では、ユニフォームパンツより長いインナーを着用することは禁止となったのです。

4. ユニフォーム(アンダー・ガーメント): (第4条 4.3.1)

「パンツの下にパンツより長いパンツ様のもの(アンダー・ガーメント、パワー・タイツなど)をはいてもよいが、その場合はパンツと同様の色のものでなければならない」という条項が削除された。

すなわち、パンツの下にパンツより長いパンツ様のもの(パンツからはみ出してしまうアンダー・ガーメント、パワー・タイツなど)をはくことは、パンツと同じ色であっても認められなくなった。

※パンツからはみ出さないものについては、着用してもさしつかえない。

出典:公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)のバスケットボール競技規則変更点の概略

2020年4月に改正された「ユニフォーム規定」では、ユニフォームの形状に関するルールが変わりました。

シャツは肘より短い袖丈、パンツは膝上丈までが原則となり、そこからはみだす丈のインナーは着用できません。

シャツの襟元からもインナーがはみ出してはいけないので、インナーを選ぶ際には、必ずユニフォームと一緒に試着する必要があります。

これらを踏まえて、国内の公式試合で着用できるインナーは、以下のタイプのみとなります。


シャツ:タンクトップタイプのみ

パンツ:ショートタイプのみ


これらのルールは、日本バスケットボール協会の管轄下で行われる公式試合に適用されるものです。ユニフォームからはみ出すインナーを着用すると、試合前に審判から注意されます。

BリーグやNBAなどプロ選手については、リーグの競技規則によって、丈の長いインナーの着用が認められていますが、一般の公式戦では、上記のルールに合ったインナーを着用して、試合に臨みましょう。

練習ではどんなタイプのインナーでもOK

練習やストリートバスケットでは、どのようなタイプのインナーを着用しても構いません。憧れのNBAの選手をお手本に、ユニフォームの下にTシャツタイプのインナーを着るのもOKです。

インナーには防寒効果、紫外線カット効果、ケガの予防などの機能があるので、屋外トレーニングやハードな練習には欠かせません。

練習用と試合用を複数枚用意して、臨機応変に使い分けましょう。

上半身のインナーの種類

上半身のインナーは、ロンTタイプ、Tシャツ、タンクトップタイプ、下半身のインナーは、ロングタイプ、7部丈タイプ、ショートタイプなどがあります。

ロンTタイプ

腕全体を長袖ですっぽり覆うのが、ロンTタイプのインナーです。春や秋などの肌寒い時期に、防寒目的で使用します。公式試合では着用できません。

Tシャツタイプ

Tシャツタイプのインナーは、インナーとしても練習着としても使えるので、便利な一着です。公式試合では着用できません。

タンクトップタイプ

タンクトップタイプのインナーは、公式試合で着用できます。ユニフォームを用意する際に、一緒に揃えておくと安心です。

下半身のインナーの種類

下半身に身に付けるインナーには、ケガを予防し、筋肉の疲労の蓄積を和らげるサポーター機能が期待できます。

ロングタイプ

ロングタイプのインナーはアンダー・ガーメント、パワー・タイツなどと呼ばれ、主にトレーニング用です。公式試合では着用できません。

七分丈タイプ

ふくらはぎ付近までの七分丈タイプは、公式試合では着用できません。Bリーグでは多くの選手が試合で着用しています。

ショートタイプ

ショートタイプのインナーは、ユニフォームからはみ出さない丈なので、公式戦で着用できます。股関節の動きをサポートし、ケガを予防します。

インナーを着ることで得られる効果

スポーツ用に開発されたインナーは、普通の下着よりも吸汗速乾性、通気性、伸縮性に優れ、運動効果を高めます。

普通の下着は、たくさん汗をかくと、すぐに乾かないため、風邪をひいてしまいがち。一方、スポーツインナーは汗を素早く吸収し、発散させる素材でできているため、体を冷やす心配がありません。

また、近年は体に適度な圧を与え、筋肉の無駄な動きやブレを軽減させる加圧インナーなど、高機能インナーが開発されています。バスケのパフォーマンスを向上させたい人は、こうしたインナーにも注目してみましょう。

ケガの防止

バスケットボールは足首、膝、太もも、股関節など、主に下半身をケガすることが多い競技。スポーツインナーには練習でのケガを予防する機能があります。ストレッチ性が高く、サポーター機能を備えたインナーを着用することで、より安全にトレーニングできます。

筋肉のサポートや疲労軽減

伸縮性の高い素材で作られた加圧インナーには、運動機能の向上や、筋肉や関節への負荷の緩和などの効果があるといわれています。

インナーによって適度な圧が加わることで、血液の循環を促進し、疲労軽減、スタミナ維持の効果が期待できます。

寒さ・暑さ対策

インナーには、体を冷えから守ってくれる保温性と、汗を吸収して、すぐに乾く吸汗速乾性があります。春夏の暑い日は半袖やノースリーブ、秋冬の寒い日は七分袖や長袖など、季節や天候に合わせてインナーを使い分けることで、毎日快適にトレーニングできます。

ユニフォームから下着が透けるのを防ぐ

女子選手にとって、バスケットボールの練習や試合のとき、汗をかくことで下着が透けてみえるのは、悩みの種のひとつではないでしょうか。

特にバスケのユニフォームは、淡色は白を採用する場合が多いので、余計気になりますよね。

スポーツインナーがこうした心配を解消してくれます。

インナーには下着の透け感を防ぐだけでなく、バストをきちんと固定する機能があります。

肩にブラのストラップ止めがついているものもあるので、女子のお悩みを解消してくれる、ベストの一枚を探しましょう。

まとめ

バスケを始めるとき、トレーニングウェアやユニフォームにはこだわっても、インナーにはそれほど注意を払わなかったのではないでしょうか。インナーが果たす役割は意外と重要です。特にバスケの場合、公式試合で着用できるインナーの形状が決められています。さまざまな機能、タイプの中から、場面と目的に合ったインナーを見つけてください。

(記事作成日:2022.1.4、更新日:2023.7.29)