かっこいいサッカー・ユニフォームにするなら、どんな色がいい?

サッカーチームのイメージを左右するユニフォームの色。日本代表は青、オランダ代表はオレンジなど、ホームの色にはさまざまな意味がこめられています。今回はOutfitterで人気が高い色について、それぞれの意味や心理的な作用を簡単にご説明します。

ユニフォームの色の選び方

新しいユニフォームを作るとき、真っ先に考えるのは、何色をベースにするか、ということではないでしょうか。

サッカーの各国代表は自国旗の一色をチームカラーにしている場合が多いですが、日本代表やイタリア代表など、国旗とは異なる色をユニフォームにしているチームも珍しくありません。

日本代表は通称「SAMURAI BLUE(サムライ・ブルー)」といって、ホームユニフォームは青を採用しています。日の丸の赤を採用した年もありましたが、もうひとつ成績が振るわなかったため、「やっぱり日本代表は青!」となった経緯があるそう。

イタリア代表も、国旗は緑、白、赤の縦三色旗ですが、ホームユニフォームは青です。

日本代表とイタリア代表は同じ青ですが、チームのイメージは異なります。同じ色なのに、どうして違って見えるのでしょうか。

色について

色には、色相(色味)、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)という3つの属性があります。

例えば、濃い目のネイビーからは勤勉さ、強さ、男性的といった印象を受けますが、水色やパステルブルーからは軽さ、明るく、若々しさなどが感じられます。このように同じ青でも、色相、明るさ、鮮やかさが変わることで、全然印象が違って見えます。

また、色は他の色を組み合わせることで、メッセージを強めたり、まったく別の意味を持たせたりすることができます。

色と色の組み合わせを配色といいますが、色同士が衝突しないような配色を考えるのも、デザインの醍醐味といえるでしょう。

ラインやエンブレム、ロゴなどに使われている色とベースの色の配色が合っているユニフォームは、一段とかっこよく見えますよね。

Outfitterでユニフォームを作るときは、そうした色の特性を意識しながらデザインを考えると、きっと満足がいく結果が得られることでしょう。

世界中でいちばん人気の色は、青

新しいユニフォームを作るなら、チームメンバー全員が好む色を選びたいですよね。数ある色の中で、もっとも人気が高い色は何でしょうか。

日本における色彩学の第一人者であり、武蔵野美術大学造形学部の千々岩秀彰教授は、平成7年~8年、世界20か国の60の大学で、約5,500人の学生を対象に、47種類の色を見せて、その色に関する記憶や意味、イメージ、好みなどを調査しました。

その結果、全世界で共通の傾向として見られたのは、青がもっとも好まれる色だということです。「最も好きな色は?」という質問で、どこの国においても青がトップで、約7割の人が支持したということです。

国別の傾向を見ると、ロシア、フィンランド、オランダ、ポルトガルなどで好まれるのは黒。中国、ラオス、バングラデシュでは、白や淡い色が好まれたそうです。

一方、欧米諸国、オセアニア諸国では、白は人気がなく、濃いオレンジ、濃い青紫、灰色など、暗く濃い色を好む傾向が見られました。

そして、日本、ドイツ、イタリアには、青紫、黄、赤などの鮮やかな色を好むという共通点があったそうです。サッカー代表のユニフォームにも、少なからず影響しているのかもしれませんね!

Outfitterでの人気ランキング

※集計期間は2023年3月~2024年2月
※各注文のシャツのベースカラーを集計(パンツの色は考慮していません)
※青には、明るい青やネイビーも含みます


Outfitterでは、2023年3月~2024年2月、お客さまから注文があったシャツの色の割合を調査しました。

その結果、第1位は青32.6%。次いで、赤15.2%、黒14.5%という結果でした。やはりOutfitterでも、青の人気は不動です。

それぞれの色が持つイメージや特性を知ることで、ユニフォームやチーム作りに生かすことができます。
まずは、トップ人気の青から見ていきましょう。

青は気持ちを落ち着かせ、冷静にする色です。集中力を高めたり、食欲を抑えたりするなどの鎮静作用があります。特に頭を使うような場面では、青い服を着るのがおすすめです。

前項でも述べたように、青はほとんどの人に気に入られる色。あらゆる企業・団体がイメージアップを期待して、PRなどで青を活用しています。

一方、気分が落ち込んでいる時に「ブルーな気分」と表現するように、青は、寂しさや悲しみなどをイメージさせる色です。

サッカーのユニフォームに使うときは、そうした青のもつ微妙なニュアンスを理解して、色を選びましょう。

『ユニフォームでいちばん人気は「青」! サッカー日本代表がいつも「青」なのはなぜ?』

赤は、バイタリティー、情熱的、行動的、自信を表し、相手に強いインパクトを与える色です。一方で、赤には攻撃性、怒り、警戒というイメージもあります。注意や危険を表すサインとして、信号や標識などで赤い色が活用されています。

数年前に、「赤のユニフォームを着ると、勝率が高くなる」というイギリスの大学の研究結果が話題になりました。「赤いユニフォームのサッカーチームは強豪が多い」と、一部のサッカーファンの間で噂されているのも、あながち嘘ではないかもしれませんね!?

『「赤」のユニフォームのサッカーチームは強いって本当? 赤が勝負カラーといわれる理由』

黒は無彩色で光を反射せず、すべての色を吸収、遮断する色です。フォーマルウエアが黒であるように、黒は高級感、格調高さ、重厚さを感じさせ、その一方で、夜、闇、恐怖などのダークなイメージも併せ持つ色です。

日本では、黒のユニフォームというサッカーチームをあまり見かけません。これは、公式戦ではレフェリーが黒いシャツを着るため、黒や黒に見える色(紺色など)は、ユニフォームとして認められないため。

最近ではレフェリーもカラフルなユニフォームを着用するようになりました。それでも黒が多いのは、黒がもつ「怖い」「権威」といったイメージが、レフェリーにピッタリ合っているからかもしれませんね。

『日本のサッカーのユニフォームに「黒」が少ない理由』

白は無彩色であり、もっとも光を反射する明るい色です。白がイメージするものは、清潔感、明るさ、冷たさ、簡潔さ、純粋さ、希望などです。

白はベースカラーとなることで、他の色を最大限に引き立て、どんな色も組み合わせられる色です。そのために、ファッションやインテリア、家電製品などでは、白のアイテムがいちばん人気だそう。

サッカーでは、日本代表のアウェイユニフォームで、白がよく採用されています。

『サッカーのピッチで映える、「白」のユニフォーム』

緑色

緑は黄色と青の中間色です。緑には、癒し、リラックス、自然、生命力、健康、安全などのイメージがあります。

同じ緑でも、色合いによって異なる雰囲気を生み出します。深いトーンの緑は、落ち着きのあるリラックスしたムード、ビビッドな緑は、健康で活動的な印象を周りに与えます。

日本では、「ゴールキーパーのユニフォームは、黄色や緑が多いというイメージがある」という声をよく耳にします。実際にJリーグでは、複数のゴールキーパーが、黄色と緑のユニフォームを着用していました。

『爽やかでフレッシュな色、「緑」のサッカー・ユニフォームのこれから』

オレンジ

オレンジは赤と黄色の中間にある色です。オレンジには、活発、太陽、健康、陽気さ、フレッシュなどのイメージがあります。エネルギーと開放感を感じさせる色で、食欲を増進させる効果があります。 サッカーチームでは、オランダ代表のホームユニフォームがオレンジです。 オランダ国旗は上から赤、白、青の水平三色旗です。実はこの赤はもともとオレンジだったといわれていて、オランダでは国王の誕生日やスポーツイベントでは、全員がオレンジの服を着て祝う習慣があるのだとか。 他のスポーツにおいても、オランダ代表はすべてオレンジのユニフォームを着用しています。オランダ人の愛国心の表れが「オレンジのユニフォーム」といっていいでしょう。

『元気いっぱいパワーをチャージ! 「オレンジ」のサッカー・ユニフォーム』

ピンク

ピンクは、恋愛、スイーツ、若さ、家庭をイメージさせます。ピンクは見た人を和ませる優しい色です。女性向けの商品を作っているブランドで、多くがピンクを使用しているように、女性に特に好まれやすい色です。

前項で紹介した千々岩教授の調査研究によると、「幸福」を表す色として、日本やアジアの国々では、ピンクを挙げた人が多かったそう。

「優雅さを表す色は?」という質問では、世界的には黒、白と回答した人が多かったのですが、日本やアジアの国々では、紫系のピンクが挙がったと報告しています。

『どこのチームより目立ちたいなら、「ピンク」のサッカー・ユニフォーム!』

個性的なカラー、紫色

紫は赤と青の間にある中間色です。そのため、暖色系と寒色系の両方のイメージを併せ持つ、二面性のある色です。

紫には、伝統、知性、気品、神秘的などのイメージがあります。また、高貴、忠誠心を表す色なので、信頼感を強調したいときには、紫が最適です。

Jリーグのサンフレッチェ広島は、チームカラーが紫です。理由のひとつとして、聖徳太子の冠位十二階では最上位を意味する色であり、ナイトゲームで最も映える色ということが調査で判明したため、紫に決めたそう。

2021年秋より発足したWEリーグに参加する女子チーム「サンフレッチェ広島レジーナ」のメンバーも、同じ紫色のユニフォームを着ています。

まとめ

ユニフォームの色を決めるときには、どんなチームにしたいのか、しっかりとイメージを固めておきましょう。

一般的に赤を中心とした暖色系は興奮作用があり、青を中心とした寒色系には沈静作用があるといわれます。こうした色のもつ心理的作用を生かして、ユニフォームやチーム作りに役立ててみてはいかがでしょうか。